従来の美術分野区分や基底素材区分でみれば一目瞭然、多彩な顔触れの作家作品展と見える。
2001年、在関西芸術系大学生を対象に、特定法人京都藝際交流協会の呼びかけに応じて結成された学生の学生による学生のための自主運営グループ"ヤンガーアーチストin
Kyoto"の元メンバーを中核とする若き芸術家たちのグループ結成第2回展である。
メンバーは、既成の官展・画壇の枠組みにとらわれることなく、既成事実として芸術分野にみられる「際(きわ)」(境界とも結界ともいえる)を超越した表現者としての制作活動を通じて、新しい芸術価値観や芸術家としての社会的役割を問い続けることを目的に国内・国外で積極的な創作活動を展開してきている。
彼らのほとんどの者が海外芸術交換交流プロジェクト(ドイツ、アメリカ、韓国、イギリス)の招待・推薦・選抜出品参加の経験をもち、それらの交流活動を通じて「際」の問題(芸術と美術、美術と工芸、職人と作家、等々の違いとは何か?)を共通の創作課題とし、既成日本美術界の常識にとらわれない国際作家を志すに至った経緯を秘めている。
本展は、こうした「際」の問題を先延ばしにしたままで、全てを"アート"の一言でくくってきた現代日本アート界に対し、一石を投じる問題提起の展覧会として共催企画されたものです。
このような実験的企画展の共催承諾をされたギャラリーアコスタージュに対し深い敬意を表しますと共に、数々の国際的作家を育んできた四国・高松の皆様にご高覧いただけることを心より感謝する次第です。
2008年6月 京都藝際交流協会理事長 石田 淨